
小河原火舞保存会について
神楽団のご紹介
代表者名(役職) | 萬ヶ原 伸二(会長) |
---|---|
創設時期 | 明治初期 |
団員数 | 約30名 |
地元神社 | 小河原松尾神社 |
地元神社での上演時期 | 10月 |
保持演目 |
火舞の由来

広島市安佐北区の小河原町に伝わる神楽は、明治時代の初期、現在の安佐南区西原地区から伝わったもので正式には「十二神祇神楽」といいます。戦争やテレビの普及による中断もありましたが、100年以上の歴史を持つ地域の伝統芸能として伝承されています。「火舞」の由来は、吹き火と呼ばれる大きな手製花火と神楽を同時に奉納することから名付けられており、毎年10月地元の「小河原松尾神社」の秋祭りにおいて奉納されます。
十二神祇神楽(じゅうにじんぎかぐら)
広島県には300を超える神楽団が活動しており、その種類も豊富で全国有数の神楽どころとして知られています。その中で旧安芸国南部(広島県西南部)の広島市、廿日市市、大竹市の全域に伝えられているのが「十二神祇神楽(安芸十二神祇神楽)」です。毎年の秋祭りの前夜祭に十二の演目を舞うことから十二神祇と呼ばれます。神事とともに演劇としての性格も持つ古い神楽です。広島県山県郡安芸太田町の芸北地域にあった古い神楽が、江戸時代の終わりころから明治にかけてこの地域に広まったと考えられています。
- 【参考文献】
- 三村泰臣著 『広島の神楽探訪』 南々社
吹き火(ふきび)

吹き火は神楽の演目の間に奉納される花火です。一般的な市販の花火ではなく、火薬作りから竹筒への詰め込み、点火まで全て手製で行い、小河原火舞保存会では神楽と一緒にその技術も伝承されています。吹き火は長さ約1m、直径約20cmほどの孟宗竹の節をくりぬき、その中へ火薬と鉄粉を混ぜ合わせたものを詰め込みます。火薬を詰めた孟宗竹の口火に着火すると火が吹きだす仕掛けになっていて、火柱の高さは10m以上にもなり約2分近く燃焼します。昔は多くの地域で吹き火が奉納されていましたが、今では一部の地域でしか伝承されていない非常に貴重なものです。
小河原松尾神社

- 住所
- 広島市安佐北区小河原町227
- 祭神
- 玉依毘売命(たまよりひめのみこと)
- 品陀和気命(ほんだわけのみこと)
- 息長帯比売命(おきながらしひひめのみこと)
- [相殿神] 大年神(おおとしのかみ)
- [相殿神] 事代主神(ことしろぬしのかみ)
- 例祭
- 10月第3日曜日(旧例祭日10月10日)
- 由緒
- 創祀年代不詳。享保16年(1731年)及び宝暦9年(1759年)に再建する。
明治4年、宇氏之原の大年社、胡神社を合祀する。
- 【参考文献】
- 『広島県神社誌』 広島県神社庁